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Cisco IMTXR(644-906)試験合格

Cisco IMTXRとは
Cisco IMTXRとは、Cisco IOS XRおよびIOS XRが動作するCisco Systems社製ルータの実装や運用、保守に関する知識を有しているかを認定する試験である。
試験のランクは、CCNA等AssociateクラスとCCNP等Professionalクラスとの間に位置する。
当試験ではCisco IOS XRのコマンドだけでなくIOS XRが稼働するルータのアーキテクチャに関する内容も出題される為、CCNAを保有しているだけでは合格は難しく、試験対策の学習が必要となる。


Cisco IMTXR試験における自分のスキル
約2年間、某通信事業者にてバックボーンの機器マイグレーション案件に携わり、Cisco IOS XRが稼働するルータに触れていた。
案件に携わるにあたり、show running-configのテキストファイル数点と構成図と遷移図が渡され、それらを黙々と読んで学習した。
検証環境に触れる機会は1〜2度程度しか無かった為、もくもく会の後はいきなり本番環境...といった様子だったと思う。
通信事業者のバックボーンルータを扱う認定試験、JNCIA-Mの知識はほぼ使わなかった。あれはJuniper Mシリーズルータに特化した試験だし...


受験のきっかけ
ユーザ企業のデータセンタやLANよりも通信事業者のネットワークの方が好きで、通信事業者のバックボーンの案件にまた携わりたいと思っていた為。
Catalyst 6kやNexusよりも、Juniper MシリーズやCisco IOS XRなルータの方が自分にはしっくりとくる。
かつて業務で触れていたCisco IOS XRなルータの復習のついでにCisco IOS XRvで遊んでいて、GoogleでIOS XR関連情報をネット上で漁っていくうちに644-906の認定試験の存在を知った事と、数年以内のバックボーンネットワークの業務への復帰を目論んでいた事が相まって、2ヶ月程前に試験勉強を開始した。


受験勉強に使用した教材
参考書は"Cisco IOS XR Fundamentals (Cisco Press)"と、業務で頂いた研修用資料("Introduction to Cisco IOS XR Technical Workbook"みたいな内容に機器のConfigテンプレのようなものが追加されていた物)を使用。
VMware ESXi上で動作しているIOS XRvで、上記参考書に記載されている設定をポチポチと打ち込んだ。
上記の資料を約2か月間、通勤時間(片道1時間程、往復共に始発駅である為に座る事が可能)にてひたすら読み続け、家ではコマンドをひたすら打ち続けた。


受験結果
という事で、夜間作業の前にCisco Systems社の認定試験Implementing and Maintaining Cisco Technologies using IOS XRの試験。
会場は、ピアソンVUEの公開テスト会場である新宿エキニアテストセンター。

結果は合格!
この試験の合格をもって、Cisco IOS XR Specialistの認定となった。
このスペシャリスト認定はCCNAやCCNPなどアソシエイトやプロフェッショナルより認知度が低く、スペシャリスト認定の中でもセールス系のスペシャリスト認定より更にマイナーな存在。
通信キャリアでCRSやASR9000に関わる業務に携わっている人やIOS XRが好きで好きで仕方ないという人以外にとって、無縁な存在だろう。

総スコアは896点。合格点は1000点満点中769点、全60問の出題。
全て選択問題だった。

各セッション毎の結果は以下のとおり。
・Platform:85%
・Operating System:100%
・Control Plane:100%
・Data Plane:72%
・Management Plane:62%
試験時間は140分。非英語圏である為に30分の延長時間が追加されている。


難易度に関して。
予備知識があった為に試験勉強は楽に進める事が出来た。
思っていた以上の得点だったが、ハードウェア関連の問題は自信を持って解答する事が出来なかった。
BGPとIS-ISとMPLS関連の出題が多かったように感じた。
上記プロトコルの基本的な設定と、Cisco IOSとIOS XRとの間のコマンド構文の違いを理解出来ていれば、合格はそんなに難しい事ではないだろう。
IOS XRなルータはCRSやXR12000シリーズの他にASR9000やNCS6000シリーズがあるが、CRSとASR9000を抑えていけば、ハードウェア関連の出題に対応出来そう。出題パターンがどれだけ有るか分からないが。
業務内容で関連性があるCCIP(現: CCNP Service Provider)と比較すると、IOS XRではどう設定するのでしょうか、といった感じの出題が殆どで、各プロトコルの動きや特徴を問う問題は出題されなかった。
よって、通信キャリアにてIOS XRルータの導入および設定の業務に携わっている人にとっては、難易度は低いだろう。


参照サイト、教材など
http://www.cisco.com/c/en/us/training-events/training-certifications/exams/current-list/specialist-imtxr.html Cisco IMTRX
https://community.cisco.com/t5/service-providers-documents/introduction-to-cisco-ios-xr-technical-workbook/ta-p/3141728
https://supportforums.cisco.com/document/12088696/running-ios-xrv-vmware-fusionworkstation
https://www.amazon.co.jp/dp/1587052717/ Mobeen Tahir他, 2009, Cisco IOS XR Fundamentals (Cisco Press)
https://debslink.hatenadiary.jp/entry/20150524/1432457008 VMware PlayerにCisco IOS XRvを導入する