メモのページ - チラシの裏メモ 3枚目

通信技術や気になった事を黙々とメモし続ける

中古iPhoneをYAMAP専用端末として使用する

自分が勤務している通信業界では、通信機器には「主系と従系(通信事業者によっては1系や2系など)」という概念が有る。通常は主系で通信の処理を行い、主系に障害が発生した場合は、主系で行っている処理を切り替えて従系にて通信の処理を行う。
自分はその概念に倣い、外出時は常にスマホを2台持ち(ただし契約回線は1回線)にしている。
登山の際は普段使用のスマホと登山用のスマホを分ける事により、普段使用のスマホのバッテリーの消費を抑える事と普段使用のスマホが使用出来なくなった際の代替機の確保という理由により、YAMAPをインストールした登山用のスマホも持ち歩いている。
 
当記事は、YAMAP専用スマホの運用にあたり自分の環境におけるiPhoneの設定内容をブログ記事として残す事を目的としており、読者の皆様の環境によっては合わない可能性は有る事も考えられる。あくまでも参考程度として留めて頂きたい。
 

2024年9月 大菩薩峠〜雷岩の間にて SONY XPERIA 1で撮影
 

YAMAPとは
株式会社ヤマップが開発および運営するスマートフォン用の登山アプリで、2013年にリリース。プログラミング言語Rubyで開発されている。
地形図をYAMAPアプリにてダウンロードする事で登山中にGPS機能により現在地の把握が出来るだけでなく、YAMAPアプリのユーザとの間で交流が可能なSNS的な利用も可能である。
また、YAMAPは登山だけでなく平地で使用する事も可能である。自分の場合、豊洲から新宿まで歩いた際にYAMAPを地図の代わりとして使用した。
 

自分の歴代YAMAP専用スマホ
先日、iPhone 16が発表されiPhoneユーザ達が盛り上がってる中で、ひっそりとヤフオクにて中古のiPhone Xを購入した。iPhone XはiOSバージョン17以降は未対応であるが、YAMAPアプリのサポート対象内である限り使い続けていくつもりである。以下は過去に使用していた機種の一覧で以下の理由で手放している。
・iPhone 5s:YAMAPアプリのサポート対象外。
・iPhone SE:バッテリーの持ち具合が悪くなった為。
・iPhone 8:バッテリーの持ち具合が悪くなった為。
 

現在YAMAP専用スマホとして使用しているiPhone Xについて
今は普段使用のスマホとしてSONY XPERIA 1、YAMAP用のスマホとしてiPhone Xを使用している。
少し前まではiPhone 8をYAMAP用スマホとして使用していたが、晴天時の下では画面がうす暗くて見辛い、本体の発熱、バッテリーの持ち具合が悪くなってきた...等の事情により、iPhone X以降の機種で状態の良い中古品をヤフオクで探していた。数日後、他の出品物よりやや安値且つ状態が良い端末を運良く見つけてさっさと落札し今に至る。

今回入手したiPhone Xは以下の状態だった。
・送料込みで即決価格が18,000円少々。
・バッテリーの最大容量が100%。
・フレームにて少し傷がある程度の備品。
・SIMロック解除済み。契約中の回線で利用可能。
 
iPhoneを落下させたり岩にぶつけた際の損傷を可能な限り少なく抑える為、ケースとガラスフィルムをAmazonで購入し、装着している。
YAMAPのGPS利用がメインである為、回線契約の追加は不要。アプリやYAMAPの地図情報のダウンロードなど通信が必要な場合は、無線LANに接続する。
購入時はバッテリーの最大容量は100%との事だったが、発売開始から7年経っており例え未使用であったとしてもバッテリーは劣化している筈である。バッテリーは社外品の物に交換済みと思われる。
山行中のiPhoneの落下を防止する為、ストラップを付けている。

メインで使用しているスマホが破損や故障等の理由で通話が出来なくなった場合、YAMAP専用スマホとして使用しているiPhoneで通話する事になる。その際はSIMカードの差し替えが必要になる為、SIMピンやゼムクリップ等を携行する必要が有る。
 


2023年7月 早池峰山の山頂から姫神山方向を望む SONY XPERIA 1で撮影
 

iPhoneとXPERIAとの使い分けについて
メインで使用してきたSONY XPERIAシリーズでYAMAPを利用していた時期が有ったが、iPhoneと比較すると、自分がこれまでに使用してきたiPhone達は山行中にYAMAPアプリが落ちる事は殆ど無い事(例外は今年5月の奥多摩の石尾根縦走の際の熱暴走)、YAMAPアプリがバックグラウンドで動作していてもGPS信号をしっかり掴んでくれる事、YAMAPの地図を拡大表示させても軌跡がなめらかに表示される事などから、今はiPhoneをYAMAP専用スマホとして使用している。自分が見ている範囲内ではYAMAPアプリとXPERIAとの相性は良くないように見える。
ただし、変に加工せず見たままの景色を高画質で撮影してくれる事から、写真はメインで使用しているXPERIA 1で撮影している。
 

iPhone Xで使用しているアプリ
1. インストール済みアプリ
登山やアウトドア関連の以下のアプリのみインストールしている。
これらのアプリおよびYAMAPの地図をインストールし終えた段階で、ストレージの容量64GBのうち48GB程の空きがある。
・YAMAP:当機の主役アプリ。
・GPS Coordinates:緯度や経度の確認用。
・コンパス:方角の確認用。
・ヤマレコ:ルートの詳細確認用。
・気圧計と高度計と温度計:気圧や高度の確認用。
・iSH:暇つぶし用。登山とは全く関係が無い。Alpine Linuxエミュレータ。bashやzshが叩ける。
 
2. 連絡帳アプリ
iPhoneに初期状態から入っているアプリを使用。
必要最低限(自宅、妻、息子、YAMAPで契約している保険)の連絡先のみ登録している。
行き先次第では、宿泊するホテルや旅館や山小屋の連絡先を一時的に登録している。
 
3. YAMAPアプリの利用
どこの山に登ろうが、YAMAPアプリは以下の内容で運用している。
・SIMカード未挿入につき、YAMAPの地図は自宅の無線LAN環境であらかじめダウンロードしている。
・登山開始の10分程前にYAMAPを立ち上げ、地図を表示させてGPSの信号を拾わせている。
・YAMAPがGPSの信号を掴んで現在地が正確に表示されたら、バッテリーを低電力モードに設定している。
・下山後は「おつかれ山」の画面の状態で放置。普段利用のスマホが電波を掴めるようになってからテザリングで普段使用のスマホと接続。登山情報のアップロードが完了してからYAMAPアプリを終了させている。
 

2024年2月 相模湖の北側に位置する孫山東尾根の長久保山の山頂にて SONY XPERIA 1で撮影
 

iPhone Xの設定内容
自分が使用しているiPhone XはYAMAP専用に特化させるべく、以下を設定している。
iOSのバージョンによって、表記内容が異なっていたり機能が有ったり無かったりする点には要注意。
設定後、休日にYAMAPアプリを動作させて近所を数キロ歩いて、テスト運用を実施している。
① 画面表示の明るさの自動調節およびTrue Tone:オフ
② 機内モードオン
③ Siriの利用無し
④ Bluetoothオフ
⑤ iCloudバックアップオフ
⑥ 位置情報サービスおよびトラッキング:一部の機能をオン
 
① 画面表示の明るさや色の自動調節を無効にしバッテリーの消費を抑える。
設定>画面表示と明るさ>自動:オフ
設定>画面表示と明るさ>True Tone:オフ
設定>画面表示と明るさ>Night Shift:オフ
 
② 他の人とのコミュニケーションや通話は使用しない、バッテリーの消費を抑える...などの理由により機内モードで運用している。
設定>機内モード:オン
 
③ YAMAP専用スマホなので、以下の設定および機能は使用しない。
Siriからの提案:設定>一般>通知>Siriからの提案はYAMAP以外は全てオフ、YAMAPはバナー
Siriと検索:設定>Siriと検索 全てオフ
 
④ 自分の場合「こんにちは通信」は不要につき、当機能で使用されるBluetooth機能はオフに設定している。
設定>Bluetooth オフ
YAMAP立ち上げる>これから行動する山の地図を開く>歯車アイコン>みまもり機能>みまもり機能をオフ
 
⑤ YAMAP専用スマホとして使用している為、自分の環境ではiCloudバックアップは不要につきオフにしている。
設定>自分の名前>iCloud>ICLOUDを使用しているAPP
写真:オフ
iCloud Drive:オフ
iCloudメール:設定>このiPhoneで使用:オフ
パスワードとキーチェーン:オフ
すべてを表示>表示されているアプリ全て:オフ
iCloudバックアップ:オフ
高度なデータ保護:オフ
WebでiCloudデータにアクセス:オフ
 
⑥ 位置情報サービス
YAMAPやGPSアプリで位置情報を計測する為、以下のアプリにて位置情報の共有設定を有効にする
設定>プライバシーとセキュリティ>位置情報サービス>位置情報サービスをオン
設定>プライバシーとセキュリティ>位置情報サービス>位置情報を共有は以下の内容で設定
GPS Coodinates:使用中のみ
YAMAP:使用中のみ
 
設定>プライバシーとセキュリティ>位置情報サービス>位置情報を共有>システムサービスは以下の項目をオンにしている
コンパスの調整
ネットワークとワイヤレス
ステータスバーアイコン
 

YAMAP専用スマホとなったiPhone X(アイコンはフリー素材を使用、ただし上段のアイコンはPowerPointで作成)
 

iPhoneのコンパス機能の調整
頻度は少ないものの、YAMAPを動作させているiPhoneの向きとYAMAP上の自分の向きが一致していない事がある。
過去に所有していたiPhoneではあるが、手で持っているiPhoneが南の方角を向いているのに、YAMAPの地図上では西や北など別の方向を向いている...なんて事が発生した事が有った。そのような場合はiPhoneに内蔵されているコンパス機能の調整が必要となる。
対処方法は、車やバイクの8の字走行のような感じで、iPhoneの上の部分(スピーカー側)を先頭にして8の字を描くように数回動かす。
 

iPhoneの時刻調整
山行の前日などに、iPhoneのNTPクライアント機能を一時的にオンにする事でiPhoneの表示時刻を正確にしている。
iPhone側で無線LAN機能を有効にしオンライン状態になった後、以下を実施する。
設定>一般>日付と時刻>自動設定:オン
 
上記の設定をオンにしてから数分後、iPhone(NTPクライアント側)はNTPサーバと同期する事で正確な時刻がiPhone側に反映される。
5分程放置した後、上記の設定と無線LANをオフに戻す。
 

その他
① SIMカードを挿入しない状態でYAMAPを立ち上げた際、屋内にいる時はGPSの信号をなかなか掴んでくれない事がある。一旦外に出るかベランダや屋上などに移動するとGPSの信号を掴んでくれる。

② 当記事の趣旨から外れるが、YAMAPアプリだけでなく紙の地図も持参する事をお勧めする。
目で見る事が出来る範囲が広い、登る山の山域およびコース全体を俯瞰する事が出来る、悪天候になって山に行けなくなっても家で広げて見るのは楽しい...等の利点が有る。
自分の場合、高尾山〜陣馬山の一帯や奥多摩や奥武蔵に行く際は通称「守屋地図」(時々、小仏峠で売られている地図)をジップロックの袋に入れて持参している。
 
 
リンク先など
https://yamap.com/ YAMAP
https://help.yamap.com/hc/ja YAMAPヘルプセンター
https://support.apple.com/ja-jp/111864 iPhone X 技術仕様
https://www.amazon.co.jp/dp/B0C1T67CZ6/ 画面保護用のガラスフィルム
https://www.amazon.co.jp/dp/B0C5SWSJ3R/ スマホケース 
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B09Y5B3VZS/ アウトドア用モバイルバッテリー
https://www.amazon.co.jp/dp/4860696115/ 新版 奥多摩登山詳細図/東編
https://www.amazon.co.jp/dp/4860696204/ 新版 奥多摩登山詳細図/西編
https://www.amazon.co.jp/dp/4860695739/ 新版 高尾山登山詳細図
https://www.amazon.co.jp/dp/4860695844/ 新装版 奥武蔵登山詳細図-武甲山・武川岳・伊豆ケ岳・丸山