メモのページ - チラシの裏メモ 3枚目

通信技術や気になった事を黙々とメモし続ける

他界から葬儀までの流れ

11月2日に父が他界した。
父他界に伴い、初めて自分が喪主を勤めた。
バタバタした中、何とか葬儀まで終える事が出来た。

父臨終から葬儀終了までの流れを簡単にではあるが時系列にまとめてみた。
メモリアルホールで実施するような内容ではなく、地域の風習に沿った内容となっている。


喪主: 自分
地域: 岩手県花巻市湯本地区
宗派: 曹洞宗
ただし、曹洞宗とは言え地域によって死亡後から葬儀までの流れや各イベントの内容は異なる。
実家周辺では、納棺、出棺経、出棺、火葬、念仏、葬儀の順になっている。


11月1日(日)
23:50 看護師さん達の見回り。鼻の穴に管を突っ込み痰の吸引。
父は痛そうな表情。瞼に触れると反応有り。呼吸音は荒い。


11月2日(月)
0:00頃 呼吸音が次第に無くなる。
父の瞼を触るも反応無し。
手首に触れて脈を確認するも、脈は感じられず。看護師さんを呼ぶ。

0:05頃 看護師さんより父他界の可能性がある旨、伝えられる。
当直の医師待ち。
弟に連絡。

0:20頃 病室に弟到着。

0:55 当直の医師にて死亡確認。0:55で死亡告知。
祖父や祖母の時にお世話になった葬儀屋に連絡。
我々同様、葬儀屋も夜勤が有るのか。
看護師さんによって、清拭と身繕いと死化粧を実施。

1:45頃 病院より死亡診断書を受け取る。
葬儀屋から来た遺体搬送車で、実家に父の遺体を搬送。

2:30頃 実家に到着。
葬儀屋さんにより、簡単な枕飾り(焼香出来るよう線香と蝋燭の準備、顔に白布)を実施後、一旦解散。

9:00頃 葬儀屋が実家に到着。
火葬から葬儀までの流れの簡単な説明を受ける。
火葬と葬儀の日程候補日を決め、お寺に連絡。
11月5日(木)は友引につき、六曜を気にする人に配慮し5日には何も入れず、3日(火)に火葬、6日(金)に葬儀に決める。

9:50 お寺に連絡。
父他界の件と、火葬と葬儀の日程に関してお寺にて打ち合わせする旨伝える。
連絡後、葬儀屋と弟を自分の3人でお寺に向かう。

10:00頃 お寺に到着。
住職ご多忙につき、5日友引以外のスケジュールは埋まっている模様。
火葬は3日(火)11:00火入れ、葬儀は6日(金)11:00開始で決定。
お布施に関して寺側から聞かれる。ここで聞かれるお布施とは、火葬から葬儀、忌明け法要までに要する費用の事。この地域における相場が不明につき祖母と同じで返答。
父の"人となり"を寺側から聞かれる。内容は人柄や趣味や仕事内容等。
人となりの内容を基に、道号と戒名の内容が付けられるようだ。
お寺に預けてある位牌を持ち帰る。

12:00頃 この時間帯より弟を中心に親戚や介護士等に父他界に関して連絡を開始。
自分はお知らせの通知先(葬儀と葬儀後の会食に出席する人)の選定を開始。
ご近所の方々が集まり出す。
隣家のHさんが念仏(通夜のようなもの)と小桜饅頭(念仏に来られた方々にお渡しする物)の手配実施。
念仏は4日(水)18:00開始で決定。
香典返しの個数決定。内容に選択の余地は無い模様だが、価格帯は半返しが相場のようだ。

15:00頃 納棺。住職による立会い(いわゆる枕経)は無く、葬儀屋と一緒に父を棺に納める。
納棺後は一旦解散。
祖母の際に残ってあった法事席表(葬儀後の会食の席表)を基に、お知らせの対象者に対し通知開始。
弔辞を読まれる方3名が、夕方までに名乗り出てくださった。父の同僚2名と小中学校の同級生1名。
葬儀屋が市役所に死亡診断書を持参し、火葬許可の申請手続きを実施。
葬儀後の会食会場の決定。祖母の際と同じ予算でお膳の内容を決定。


11月3日(火)
9:45 実家にて出棺経開始。
お寺より住職が来てお経を唱える。
戒名が記載された、短冊状の半紙が位牌に付けられる。(この時だったかな?)

10:15 出棺。
喪主である自分が霊柩車に乗り、住職は弟の車に同乗。会葬者は葬儀屋手配のマイクロバスで火葬場に向かう。

11:00 葬儀式の後、火入れ開始。
父他界の実感はまだ無し。葬儀式の後、住職は弟の車に乗せられお寺に戻る。

12:30 拾骨。
火葬場の係員より火葬終了の旨連絡を受ける。
大腿骨を先に遺骨を拾い上げる。母の際とは異なり、箸渡しは無く直接骨壷に入れる。
父は長身な上、骨が太い為に、骨壷に入りきれず。頭部は押し付ける形で何とか骨壷に入れる。

13:00 火葬場より埋葬許可書を受け取り、葬儀屋手配のマイクロバスで実家に戻る。

14:00頃 実家に到着。
ここで一旦解散。
引物(会食の際にお渡しする物)の内容と個数決定。
この段階では、まだ父他界の実感湧かず。
冷静な状態と認識していたが、実は間逆でお知らせの通知先に抜けや不要が散見されたり電話での聞き違いが数点あった。


11月4日(水)
念仏が始まる夕方まで、弔問客の対応以外、イベントは特に無し。
精神的に少し落ち着いてくる。食欲が出始める。

15:00頃 お隣さんが来て、念仏の受付を玄関前で実施する旨伝えられる。
急遽、受付用のテントと机が必要になった為、葬儀屋にテントと机を借りる旨を伝える。

15:10頃 葬儀屋が念仏の受付用テントと机を持参。
仕事が早い。

16:30頃 家にある座布団の枚数が足りないとの事で、ご近所さんが座布団を30枚程貸してくださった。
17:30頃から念仏に人が集まり出すが、今回は人が少なめの模様。
仕方が無い。喪主である自分は実家に居ない事に加え、父も祖母他界までの間実家に戻らず、ご近所の方々との間でコミュニケーションがあまりとれていなかった為と思われる。

18:00 念仏開始。
ここで言う念仏とは、時宗の踊り念仏や地域の念仏剣舞の事では無く、皆で祭壇の前に正座し、音頭をとる方(地域の古老)に合わせて念仏を唱和するというもの。いわゆる念仏講。お寺の住職によると、今では岩手県花巻市の湯本地区(花巻温泉周辺)から北上市の和賀地区にかけて、細々と行われているとの事。

念仏は光明文と總廻何文と十三念仏の3部から成る。

(光明文)
明遍照 十方世界 念仏衆生
摂取不捨 至心帰命 南無阿弥陀

(總廻何文)
願以此功徳 平等施一切 同発菩提心
往生 南無阿弥陀

(十三念仏)
極楽浄土の蓮の池の蓮の蓮華
一本開いて仏に対面 大赦と申す
宵や観音 夜中は薬師
暁見ろや 弥陀の礼拝 釈迦も礼拝
南無心経 南無阿弥陀仏
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀

十三念仏の部は正式には13回繰り返されるが、状況により10回以下になる事もある。
内容から察すると、宗派は特に問わないようである。

18:30 念仏終了。
音頭をとる方に御礼を渡す。ここで一旦解散。


11月5日(木)
葬儀関連のイベントは無し。
市内のヨーカドーにて紺色の袱紗(ふくさ)と風呂敷を購入。
袱紗はお寺にお布施を渡す際に使用する。
一旦実家に戻った後、お布施を渡す事と葬儀の打ち合わせ、四十九日の相談の為に弟とお寺に向かう。

14:00頃 お寺に到着。
お布施をお寺側に渡す。金55万円也。
葬儀の打ち合わせに関しては、葬儀屋に仕切ってもらっている為に殆ど無し。
四十九日は12月20日(日)になるが、年末の多忙時期である為家族内での実施と前日19日(土)の日程を検討。

15:00頃 お寺より戻る。
葬儀屋が来る。葬儀後の会食に出る方々および席の位置の最終確認、引物の個数と種類の確認。
葬儀の前の参列の確認。
先頭に竜頭を持つ人2名、天蓋を持つ人2名、1杯飯を持つ人1名(弟の子)、団子を持つ人1名(息子)、位牌を持つ人1名(喪主である自分)、遺骨(骨壷)を持つ人1名(弟)、遺影を持つ人1名(嫁)の確認し、一旦解散。


11月6日(金)
10:20頃 葬儀会場であるお寺まで、葬儀屋が手配したバスで移動。
親戚の方々は車で直接お寺に向かった為、バスに乗ったのは自分の家族と弟家族、ご近所の方々のみ。
参列にて竜頭を持つ人と天蓋を持つ人が直接寺に行った為、急遽ご近所の方々にやって頂く。

11:00 葬儀開始。
平日であるにも関わらず、沢山の人。
司会および進行役は葬儀屋が担当。
弔辞の後に、喪主の挨拶。緊張のあまり、葬儀屋から頂いた挨拶例文そのままで実施した。
家では仕事の話は殆どしなかった父に関して、仕事内容の詳細や仕事に対する姿勢を弔辞で知る。
祖母の際とは異なり、何何代目のお釈迦様の弟子也のくだりは無しだったが、お経の中で戒名の意味の説明のようなくだりがあった。

11:30頃 葬儀終了。
参列者を本堂前でお見送り。

11:40頃 忌明け法要開始。
親族とお知らせ通知対象者が残り、忌明け法要。

12:00頃 忌明け法要終了。
終了後、住職より日本文化と侘び寂びに関するお話有り。遠回しに、喪主である長男が家やお墓を守っていけとの内容。
車と葬儀屋手配のバスで会食の会場に移動。
一杯飯や団子や位牌、遺影、遺骨等は、会場にそのまま持ち込み上座付近に安置される。

12:15頃 葬儀後の会食開始。
住職は市内の他のお寺に葬儀の為不在。
上座の方に献杯の音頭をとって頂く。
自分や弟は、各席にお酒やお茶を持って廻っていた為、殆ど食べず。
こういう場所でしか会わない親戚が多い為、顔と名前がなかなか一致せず。
席次表と実際の席順に若干の違い有り。席次表の最終版が会場担当者に伝わっていなかったようだ。

14:00頃 会食終了。
会場で解散。親族は会場に持ち込んだ一杯飯や団子や位牌、遺影、遺骨等を持ちバスで戻る。
遠足同様、家に着くまでが葬儀です。

14:15頃 実家に到着。
位牌や遺影や遺骨を祭壇に戻す。
この段階になって、ようやく父の他界を実感するようになってきた。


...怒涛の1週間だった。
役所関連の手続きや後片付け等、課題は沢山残っているが、まずは一休み。
納骨は四十九日の際に実施する。

葬儀の費用支払い先は、お寺(お布施)と葬儀屋と料亭の3ヶ所だったが、合計金額はメモリアルホールで実施するより低かった。



###追記
以下は、葬儀後から納骨までの流れ
http://d.hatena.ne.jp/debslink/20151220/1450538901