50歳でLPIC 300試験に合格

今年の1月末にLPIC 202試験に合格しLPICレベル2認定となってから、IT分野の認定試験の学習を半年程休みリフレッシュし、LPICの最高位レベルのレベル3認定を取得すべく300試験の勉強を開始。10月下旬にLPIC 300試験を受験し合格。晴れてLPICレベル3認定となった。
 
LPICとは、Linux Professional Institute Certification(Linux技術者認定試験)の略称で、カナダに本部を置くLinux Professional Instituteが運営する、世界共通の認定資格である。
LinuCではなくLPICを選択した理由は、LPIC レベル2認定のついでという意味合いが強く、どうしてもLPICでなければならない等と言ったこだわりはない。
 
本記事では、約4ヶ月間に渡って行ったきた試験勉強の内容を記録する。
なお、本記事の内容は、あくまでも現在の自分の試験勉強のスタイルに基づいた学習方法であり、読者の皆様の生活スタイルや性格によっては合わない可能性もある。そのため一つの参考として捉えていただきたい。
 
前回の記事 https://debslink.hatenadiary.jp/entry/20250130/1738235997 50歳目前でLPIC 202試験に合格



LPIC 300試験の受験の目的
LPIC Level2認定に続いてLPIC 300に合格し、Level3認定を取得するため。



試験勉強開始前のスキル
1.業務でRed Hat Enterprise LinuxとOracle Linuxに触れている
Oracle LinuxをはじめとするRHEL系のLinuxディストリビューションやWindows Server上で動作する某セキュリティアプライアンスの構築や運用に携わっている。
また、このサービスの検証環境として、VMware ESXiやProxmox上でOracle Linuxを使用し、メールサーバ・DNSサーバ・ファイルサーバの構築や運用を行っている。
 

2.自宅環境でもLinuxで構築したサーバを運用している
現在は自宅環境のサーバはOpenBSDとNixOSに置き換わっているが、2002年にDebian GNU/Linuxに触れ始めて以降、GUI環境の導入やカスタマイズ、カーネルの再構築、SFTPサーバ・ファイルサーバの構築や運用を行ってきた。



今回の試験学習の内容
試験学習用の実機環境としては、RHEL系のLinuxディストリビューションの中で無償で利用可能であり、業務でも使用しているOracle Linuxを採用。Debian GNU/Linux等他のLinuxは全く使用しなかった。
なお、LPICレベル1やレベル2の学習で使用していたDebian GNU/Linuxは、今回の学習環境候補から除外した。
 

1.学習環境
macOS 15.7.1 / MacBook Pro 2020 / RAM: 16GB / CPU: Intel Core i5 2GHz / Oracle VirtualBox 7.2.4
自分の環境ではVirtualBoxを使用したが、VMWare FusionでもLinuxが動いているサーバでも何でも良い。
macOSのCLIは、LPIC 300試験の学習用環境としては不向き。
 

2.練習台
Oracle Linux 9.4:MacBookで動くVirtualBoxのゲストマシン
練習台用途であればRHEL系がお勧め。RHELだろうがCentOS StreamだろうがFedoraだろうが何でも良い。
自分は、RHEL互換のLinuxディストリビューション、Oracle Linuxでコマンドを叩いて試験勉強に励んだ。
Oracle Linuxは2種類のカーネル(UEKとRHCK)が用意されているが、インストール直後の段階からデフォルトで動作しているUEKのままでも問題無い。
 

3.使用した参考書や問題集など
Linux教科書 LPICレベル3 300試験 (翔泳社)
学易(学習サイト)
LPIC-3 (300混在環境)プロの講師がFreeIPA詳細解説!(動画)
 
LPIC 300の試験勉強に着手する前に、QiitaやZennやNoteで過去にLPIC 300に合格した方々の受験の記事を拝見し、使用する参考書や問題集を検討した。
参考書は、試験勉強に着手した時点では「Linux教科書 LPICレベル3 300試験」しか無かったのでこの1択のみ。
問題集は、Ping-tは内容が更新されていない事から問題集から除外。「学易」が非常に評判が良かったので、利用期間1ヶ月のプランで登録し、上記の参考書の学習と実機の学習の後に演習問題として利用した。
 
参考書および問題集「Linux教科書 LPICレベル3 300試験」について。
LPIC受験界隈では本の色から小豆本と呼ばれている物である。
家庭環境でSambaが稼働中なので、復習と知識の追加を兼ねてこの本を最初から読み進めた。
試験勉強を開始してから約3ヶ月の間は、この本を何週も読んだり問題を解いたりした。
この本にて掲載されていないFreeIPAは、YouTubeの解説動画やQiitaやZenn等の解説を参照し、VirtualBox内で動作するOracle Linuxにて少しづつ学習を進めた。
 
IT系e-ラーニングサイト「学易」について。
学易と書いて「がくやす」と読む。LPICの他に、マイクロソフトやJava等の学習用コンテンツが公開されている。LPIC レベル3は有料。
公開されている問題集はネット上では非常に評判が良く、受験日の1ヶ月前以降は他の問題集はほぼ使用せず学易のみの学習となったが、この判断によって不合格へあと一歩という状況に陥る事になるのであった。
 
FreeIPAの解説動画について。
LPIC 300の現行バージョンではOpenLDAPではなくFreeIPAが出題される。FreeIPAはLPI日本支部がYouTubeで公開している公式動画で学習した。
FrreeIPAは小豆本に掲載されていないので、分かりやすい解説は非常に助かった。
 


試験の結果
LPICレベル1とレベル2と同じく、JR立川駅南口から徒歩5分ほどの場所にある「ピアソンVUE 立川柴崎町テストセンター」にて受験。昼頃に発生した地震の影響で、JR中央線の立川方面行きの電車に5分以上の遅延が発生していたが、遅刻する事無く受験出来た。
結果は合格。しかし、既に認定済みであるレベル1とレベル2の各試験と比較すると手応えは無く、終了時は不合格を覚悟した。
 


振り返り
前回のLPIC 202試験の勉強と同様に、手を動かす事に多くの時間を割いた。
今回は試験勉強を開始したのが7月上旬で、週に3日の頻度でVirtualBoxとOracle Linuxを使用した実機での学習を実施。小豆本やServer Worldに掲載されている内容を参考に、設定や動作確認を行った。
前回のLPIC 202試験の際は業務時間以外の殆どを試験勉強に当てていたが、今回は自分を追い込むような事はしなかった為、精神的に余裕が有った。
試験勉強を開始してから約2ヶ月程経ってから小豆本に収録されている問題を解き始め、試験日1ヶ月前の9月末から学易で公開されている問題集を解き始めた。
 
小豆本ではLPIC 300試験で出題されるFreeIPAに関する説明や問題が掲載されていない為、LPIが日本語で公開している解説動画で学習した。
FreeIPAの導入や運用の実機学習は動画とServer Worldにて掲載されている手順(掲載OSはCentOS Stream 9)を見てコマンドを叩きながら学習した。
一度環境を構築し終えたら終わり...ではなく、環境構築後のOracle Linuxの仮想マシンを削除し、再度Oracle Linuxの仮想マシンをデプロイしSambaやFreeIPAの構築と運用を最初からやり直しして動作確認して、それが終わったらまたOracle Linuxの仮想マシンを削除し...という営みを試験前日まで何度も繰り返して実施した。20代30代の頃とは違って一度やったら頭の中に入ってくるという事は難しくなってきた為、指で覚えさせるように何度も同じ事を繰り返して頭の中への定着を試みた。
 
学易はネット上で非常に評判が良かったので高得点を期待していたのだが...運が悪かったのだろうか、自分が受験した際は学易に掲載されている問題に類似した出題は全体の3割にも満たなく、殆どが初見な問題。即答出来るような問題はほぼ無かった。
YouTubeの解説動画やVirtualBoxでの実機学習、そして小豆本の記憶を頼りに、「絶対これは無いだろう」という選択肢は外し、全くわからない選択肢は勘で答えて...試験開始から1時間経過。全問解いて見直しを2周終えたところでギブアップ。駄目だまた受験しよう...と終了ボタンをクリックしたら、結果は「pass」で合格。これまでに受験してきたLPIC 201や202等よりかなり低い得点だったが、何とかレベル3の認定に滑り込む事ができた。
 


 
翌日にLPIの自分のページにアクセスし、認定書をダウンロードした。
今後について。資格試験の勉強はしばらくの間休む予定。再開は来年下半期以降で、国家試験で何か考えている。
LPICの更新は、4年後あたりからレベル3の他の試験で行う予定。
 


参照サイト
https://www.lpi.org/ja/ LPI - Linux Professional Institute
https://www.lpi.org/ja/exam-300-objectives/ LPIC-3 Exam 300: Mixed Environments
https://www.amazon.co.jp/dp/B00SV4V344/ Linux教科書 LPICレベル3 300試験 翔泳社
https://www.youtube.com/watch?v=RtAAwxdZPs4 LPIC-3 (300混在環境)プロの講師がFreeIPA詳細解説!
https://www.oracle.com/jp/linux/ Oracle Linux
https://www.server-world.info/query?os=CentOS_Stream_9&p=freeipa&f=1 Server World(CentOS Stream 9)
  
 

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