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Cisco CSR1000V (3.14.01S)をVMware Playerで動かす

前回に引き続き、仮想ルータであるCisco CSR1000VをVMware Playerに入れてみた時のメモ。
前回導入したIOS-XEバージョン3.11.04Sは、ネット上で多くの情報が得られる3.9Sとほぼ同じ方法で、簡単にVMware Player環境に導入する事が出来る。
しかも、動作が安定している為にIOS-XEに慣れる事や認定試験の学習用環境構築という目的であれば、機能面では充分だ。

しかしonePKやRESTful等で遊ぶとなると、バージョン3.12.0以上のIOS-XEでなければならない。
試しに、onePK対応の最低ラインである3.12.0SをVMware Playerにインストールしてみたのだが、頻繁にCSR1000Vが再起動を起こし、不安定な状態。
これでは使い物にならないという事で、バージョンをもう少し上げた3.14.01Sをインストールしてみた。


構成(クリックすると拡大表示)



当方の環境
・DELL INSPIRON 1545改
・Windows7 Home Edition (64bit版) 4GB RAM / Intel Core2Duo P9700 2.8GHz
・VMware Player 7.1.0
・CSR1000V: csr1000v-universalk9.03.14.01.S.155-1.S1-std.iso
今回のVMware Player上の設定内容は、GNS3の導入を考慮した内容になっている。


デプロイ手順
1.VMware Playerは既にインストール済みとする。
インストール済みではなくても、VMware社のサイトからダウンロードしインストーラを立ち上げるだけで簡単にインストール出来る為、インストールに関しては割愛。

2.isoファイルの準備。
Cisco CSR1000Vのisoファイルは、Ciscoのサイトからzipファイルをダウンロード。
Download Softwareに入り、
Products --> Routers --> Virtual Routers --> Cloud Services Router 1000V Series ---> Cloud Services Router 1000Vの順に移りIOS-XE Softwareをクリック。
今回はcsr1000v-universalk9.03.14.01.S.155-1.S1-std.isoを選択しダウンロード。

3.CSR1000Vインストールの前に、PCのインターフェース設定を確認。
・WANとCSR1000Vとの間の橋渡し的な役割は物理NIC(ローカルエリア接続)が担う。
 VMware Bridge Protocolが有効になっている事を確認。IPアドレスは上図中を参照。
・VMware Player内の仮想ネットワーク内通信はVMnet1が担う。IPアドレスは上図中を参照。
 IPアドレスとサブネットマスク以外の設定は不要。

4.VMwareの設定。
新規仮想マシンの作成をクリックし...
・インストーラ ディスク イメージファイルにて、上記にて準備したisoファイルを選択。
・プロセッサのコア数を2、メモリは2524MB(2.5G)に変更。
・ゲストOSは"linux2.6.xカーネル"、バージョンは"他の64ビット"を選択し、"次へ"をクリック。
・仮想マシン名は任意で。"次へ"をクリック。自分の環境ではHost名mi-csr1v-rt14-01。
・自分は、ディスク容量の指定およびファイルの格納方法はそのまま(ファイル分割の方)にした。"次へ"をクリック。
・"ハードウェアをカスタマイズ"をクリック。
 ネットワークアダプタは、既存のネットワークアダプタを"ブリッジ(自動)"に変更。新規に"ホストオンリー"を2つ作成。
 ブリッジインターフェースはWANとの間の通信目的とSSHログイン目的の為に使用、"ホストオンリー"インターフェースはVMware Player内の仮想ネットワーク(GNS3など)との接続性確保の為に使用する。
・作成後は"閉じる"をクリックし"完了"で設定は終わり。
・作成された仮想マシンを再生させてCisco CSR1000Vをインストール開始。

5.Cisco CSR1000vのインストール。
GRUB Loading stage2の出力にてEnterキーを叩く。(Enterキーを叩かず10秒待つとGRUBの画面が表示される)
GRUBのBoot選択画面では"CSR1000v autodetect (serial,vga) console"を選択しEnterキーを叩く。
インストールが完了するとCSR1000Vは再起動を実行。
再起動完了後、GLUBのBoot画面では"CSR1000V packages.conf"を選択しEnterキーを叩く。

起動完了の直前で、"この仮想マシンでVMware Toolsパワーオンスクリプトが正常に実行されませんでした"のポップアップが表示される。
OKボタンをクリックし、CSR1000Vの起動を完了させる。
起動が完了すると、"Would you like to enter the initial configuration dialog? [yes/no]:"と出力される。
Ctrlキー+Cで簡易設定モードから抜ける。

7.また「この仮想マシンへのサスペンド要求は、対応するVMware toolsスクリプトが正常に実行されなかったために失敗しました」とVMwareのウインドウが表示される。
まだVMware Toolsをインストールしていないのだが、今のところ導入の予定は無い為OKをクリック。

8.インストール自体は成功。Nexus1000Vの時のような試行錯誤は無く、意外とすんなり入った。
CSR1000V上のインターフェースとPCのインターフェースとの間の紐付けを確認する為、以下のコマンドを打つ。

Router#show platform software vnic-if interface-mapping
Load for five secs: 0%/0%; one minute: 0%; five minutes: 0%
Time source is NTP, *21:32:00.894 JST Thu Apr 30 2015
 -------------------------------------------------------------
 Interface Name    Driver Name     Mac Addr
 -------------------------------------------------------------
 GigabitEthernet3    vmxnet     000c.293b.ea38
 GigabitEthernet2    vmxnet     000c.293b.ea2e
 GigabitEthernet1    e1000      000c.293b.ea24
 -------------------------------------------------------------


Gi1にはPCの物理NWアダプタe1000、Gi2とGi3には仮想NWアダプタvmxnetが割り当てられている事がわかる。
CSR1000V上では、Gi1にて"ローカルエリアNW接続"に設定されているネットワーク内に収まるIPアドレスの設定が必要。
併せて、Gi2とGi3にて上記とは別のネットワークでIPアドレスの設定が必要。

9.インターフェースGi2やGi3の設定後no shutdownコマンドでポートを開放させると、以下のログが出力される。
商用環境でない限り、無視しても構わない。

VXE_VNIC_IF-3-MSGINITERROR: VXE vNIC Interface command: set_mtu failed: -22 for Gi1 


10.インストールはここまで。


デプロイの手順はIOS-XEバージョン3.11.04と同じ内容だ。
仮想シリアルポートの作成は以下のリンク先を参照。
telnet://127.0.0.1:9001を指定しシリアルポートからログインする内容だ。
http://d.hatena.ne.jp/debslink/20150426/143005331

https://www.cisco.com/c/ja_jp/products/routers/cloud-services-router-1000v-series/index.html Cisco CSR1000V
https://software.cisco.com/download/home/284364978/type/282046477/release/3.14.1S ダウンロードサイト
https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/ios/ios_xe/3/release/notes/asr1k_rn_3s_rel_notes.html リリースノート