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Cisco IOS XRvをESXiに乗せてみる

先日はVMware PlayerにCisco IOS XRvを導入し、VMware Player内の仮想ルータ同士でeBGPやiBGPのピアを張る事が出来た。
今回は、実環境により近づけてみようという事でハイパーバイザ上への導入を目指し、ノートPC内で動作するESXiにCisco IOS XRvを乗せてみた。
(前回のメモ: http://d.hatena.ne.jp/debslink/20150524/1432457008)


以下は自分の動作環境。
·DELL LATITUDE E6400
·CPU: Intel Core2 Duo P9700 2.8GHz
·OS: Windows7 Home Premium SP1 32bit版
·RAM: 2GB, HDD(SSD): 64GB
·NIC: Intel 82567LM
·ESXi: version 5.0 (VMware Playerに既に導入済み)
·vSphere Client: version 5.0


以下は、ESXiにvSphere Clientを介してCisco IOS XRvを導入した時のメモ。
ESXiとvSphere ClientはPCにインストール済み。
vSphere Clientにて仮想インターフェースの作成、OVFファイルのデプロイ、仮想インターフェースのネットワークへのマッピング、仮想シリアルポートの作成...という流れになっている。


1. vSphere ClientにてESXiの仮想インターフェースの作成。
XRvの仮想インターフェースとマッピングさせる為、ESXiの仮想インターフェースを前もって作成する。

1-1. vSphere Clientウインドウ内の"ホーム","インベントリ","インベントリ"の順に移り、"構成"タブへ。
1-2. 構成タブ内左側の"ハードウェア"欄内にある"ネットワーク"をクリック。
1-3. "ネットワークの追加"に入り、"仮想マシン"にチェックが入っている事を確認し"次へ"をクリック。
1-4. "vSwitch0の使用"にチェックを入れて"次へ"をクリック。
1-5. "ネットワークラベル"に任意の文字列(自分の場合はProduction1とした)と、"VLAN ID"に任意の値(自分の場合は11とした)を入力し、"次へ"をクリック。
1-6. プレビュー画面にて上記1-3から1-5の内容を確認し、問題無ければ"終了"をクリック。

仮想インターフェースを3つ作成した為、上記1-2から1-6を繰り返し実行した。
デフォルトで作成されているManagement Network(VMkernelポート)は、XRvのMgmtEth0に紐付けされている。
上記で作成された3つの仮想インターフェースは、XRvのGi0/0/0/0、Gi0/0/0/1、Gi0/0/0/2にそれぞれ紐付けされる。


2. OVFファイルのデプロイ。
Cisco IOS XRvのOVFファイルは、前もってダウンロードしておく。

2-1. vSphere Clientウインドウ内の"ファイル","OVFテンプレートのデプロイ"の順に移る。
2-2. ソースファイル(OVFファイル)の指定。"参照"をクリックしXRvびOVFファイルを選択し"開く"をクリック。
自分の場合、OVFファイルはiosxrv-k9-demo-5.3.1.ovaを選択。
2-3. OVFテンプレートの詳細。製品欄に"Cisco IOS XRv"、他にバージョンやダウンロードサイズ等の項目を確認し問題無ければ"次へ"をクリック。
2-4. 名前と場所。任意の文字列を入力。vSphere Client上での仮想ルータ名となる。
2-5. デプロイの構成。Small(1 vCPU、3GB RAM、2 NICs)を選択し"次へ"をクリック。
2-6. ディスクのフォーマット。"シン プロビジョニング"を選択し"次へ"をクリック。
2-7. ネットワークのマッピング。ESXiの仮想インターフェースとXRvの仮想インターフェースをマッピングさせる。

以下の画像は、XRvとESXiの仮想インターフェースマッピングの図。(クリックすると拡大表示します)

 MgmtEth0_0_CPU0_0のターゲットネットワークは"VM Network"
 GigabitEthernet0_0_0_0は上記1-4で作成した"Production1"
 GigabitEthernet0_0_0_1は上記1-4で作成した"Production2"
 GigabitEthernet0_0_0_2は上記1-4で作成した"Production3"

 GigabitEthernet0_0_0_3以降はXRv起動後に消滅するので、そのままでよい。
必要な分マッピングを終えたら"次へ"をクリック。
 2-8. 終了準備の完了。(変な日本語訳である) 上記2-1から2-7までに設定した内容を確認し、"デプロイ後にパワーオン"にチェックを入れず、"終了"をクリック。


3. 仮想シリアルポートの作成、HDDのモード設定変更。
VMware PlayerにCisco XRvを導入した際と同じく、Tera TermやPuTTYなどのツールを介してログインしないとコマンド操作が出来ない為、以下を実行する。
この段階では、まだCisco IOS XRvは起動していない。

3-1. vSphere Clientウインドウ内左側にあるXRvのアイコンをクリック。vSphere Clientウインドウ内の"サマリ"タブに入り、"コマンド"欄内の"設定の編集"をクリック。
3-2. "仮想マシンのプロパティ"ウインドウ内にて"追加"をクリック。
3-3. "ハードウェアの追加"ウインドウ内の"シリアルポート"を選択し"次へ"をクリック。
3-4. "ポートタイプの選択"にて"ネットワーク経由で接続"を選択し"次へ"をクリック。
3-5. "ネットワークバッキングの選択"にて"サーバ"を選択し、ポートURLに"telnet://ESXiのIPアドレス:9001、デバイスのステータスは"パワーオン時に接続"にチェックを入れて"次へ"をクリック。
3-6. 終了準備の完了。上記3-1から3-5で設定した内容を確認し、問題が無ければ"終了"をクリック。
3-7. vSphere Clientウインドウ内のESXiのアイコンをクリックし、"構成"タブに入る。"ソフトウェア"欄内の"セキュリティプロファイル"をクリック。
3-8. "ファイヤーウォール"欄内の"プロパティ"をクリック。
3-9. "リモートアクセス"欄内の"VMシリアルポートはネットワークに..."にチェックを入れて"OK"をクリックし、仮想シリアルポートの作成は完了。
3-10. HDDのモード変更設定。スナップショットが不要である点と、PCに搭載されているドライブはHDDではなくSSDでありI/Oを少しでも減らしたい為に、HDDのモードを独立型に変更する。
"設定の編集"から"ハードウェア"欄内の"ハードディスク"に入り、モードの"独立型"にチェックを入れて"OK"をクリックし、設定変更は完了。


4. いよいよ、デプロイしたCisco IOS XRvの起動。ネットワークのマッピングと仮想シリアルポートの作成を経て、ようやくXRvの起動となる。

4-1. vSphere Clientウインドウ内左側のXRvのアイコンをクリックし、"コンソール"タブに入る。
4-2. vSphere Clientのツールバーにある緑色三角のアイコンをクリックし、Cisco IOS XRvを立ち上げる。
4-3. vSphere Clientのコンソールウインドウ内にGNU GRUBの選択画面が出力される。IOS XRv"を選択しEnterキーを叩く。これ以降はvSphere Clientのコンソールウインドウ内には何も出力されない。
4-4. Tera TermやPuTTYを立ち上げ、ESXiのIPアドレス(自分の場合は192.168.1.15)とTCPポート番号(自分の場合は9001)を入力し、Telnetでログイン。
4-5. 起動ログが次々と出力される。
4-6. XRvにログインする為のアカウントとパスワードの設定。
"Enter root-system username:"と出力されたら任意の文字列(ユーザ名)を入力、次に"Enter secret:"と出力されたらパスワードを入力。
その後はXRvの起動が完了するまで待機。自分の環境では20分程時間を要した。
4-7. "Username:"と出力されても、まだまだ我慢。"SYSTEM CONFIGURATION COMPLETED"の出力があるまで、ひたすら待機。
OS自体は起動完了しているものの、設定内容(ユーザ名とパスワード以外は何も設定していないけど...)の読み込みが完了していない状態だ。
4-8. "SYSTEM CONFIGURATION COMPLETED"が出力されたらEnterキーを叩き、Username:で上記4-6で設定したユーザ名もしくはciscoを入力、続けて上記4-6で設定したパスワードもしくはciscoを入力し、XRvにログイン。

...これで、Cisco IOS-XRのコマンドの操作が可能になった。
外部ネットワークとの通信疎通は次回以降にて。