日本時間5月24日(土)の未明に、NixOSの新しいバージョン25.05 "Warbler"がリリースされた。
コードネームのWarblerとはアメリカムシクイと呼ばれている鳥の事で、NixOSのコードネームはバージョン毎に生物の名称が採用されている。ちなみに前のバージョン24.11のコードネームは"Vicuna"であり、Vicunaとは南米に生息する哺乳類でアルパカを茶色くした感じの動物である。
今回NixOSの新バージョンがリリースされた事から、過去に投稿した記事の内容を参考にして自宅環境にてファイルサーバとして稼働しているNixOSを実際にアップデートしてみた。
NixOS 25.05の主な内容
NixOS 25.05のリリースノートには変更箇所や追加された箇所などが長々と記載されているが、非常に大雑把にまとめると以下の内容となる。
・サポート期間:2025年12月31日までの7ヶ月間、バグフィックスやセキュリティアップデートが提供される。
・デフォルトのLinuxカーネルのバージョンが6.12に更新
・Nixpkgs:7840個のパッケージの追加、28054個の既存のパッケージの更新、1694個の古いパッケージの削除
・Window Manager:GNOMEのバージョンが48(Bengaluru)に更新
・Cコンパイラ:gccのバージョンが14に更新、LLVMのバージョンが19に更新
・詳細は下記のリンク先のリリースノートを参照
https://nixos.org/manual/nixos/stable/release-notes#sec-release-25.05
前のバージョンNixOS 24.11のサポートに関しては、24.11のリリースノートに記載が有る。
新バージョンのリリースから約1ヶ月後の2025年6月30日までセキュリティアップデートがあるとの事だが、他の多くのLinuxディストリビューションや*BSD等と比較すると、NixOSのサポート期間は非常に短い事が分かる。
NixOS 25.05のリリースノート
リリースノートの表示は英語のみ。
自分の環境ではWebブラウザFirefoxに実装されている翻訳機能で日本語に訳して目を通した。
https://nixos.org/manual/nixos/stable/release-notes#sec-release-25.05
NixOSのアップデート手順
先月に投稿した以下の記事の中に記載されている「NixOSのアップデート」およびNixOSの公式マニュアルのUpgrading NixOSの内容に沿ってアップデートを実行した。
アップデートの完了後、NixOSおよびLinuxカーネルのバージョン確認とNixOSの中で動作しているファイルサーバSambaの動作確認を実施した。
https://nixos.org/manual/nixos/stable/#sec-upgrading Upgrading NixOS
https://debslink.hatenadiary.jp/entry/20250421/1745236668 NixOSのパッケージやOSのアップデートに関するメモ
当方の環境
ホスト機:macOS 15.5 / MacBook Pro 2020 / RAM: 16GB / CPU: Intel Core i5 2.0GHz
仮想化環境:Oracle VirtualBox 7.1.6 r167084
ゲストOS:NixOS 24.11
今回はVirtualboxの中でファイルサーバとして動作しているNixOS 24.11を25.05にアップデートする。
NixOSを24.11から25.05にアップデート
では早速、NixOSを24.11から25.05にアップデートする手順を開始する。
アップデートの前に、現段階のNixOSのシステムの情報を出力させる。
unameコマンドを叩き、NixOSで動作しているLinuxのカーネルのバージョンを確認。アップデート前の状態ではLinuxカーネルのバージョン6.6.82が動いている事が分かる。
[jpmtkvmsv47:~ ]# uname -a Linux jpmtkvmsv47 6.6.82 #1-NixOS SMP PREEMPT_DYNAMIC Sun Mar 9 08:55:04 UTC 2025 x86_64 GNU/Linux [jpmtkvmsv47:~ ]#
続いて、/etc/os-releaseの内容を出力しNixOSのバージョンなどを確認。
NixOS 24.11が稼働している事が確認出来る。
[jpmtkvmsv47:~ ]# cat /etc/os-release ANSI_COLOR="1;34" BUG_REPORT_URL="https://github.com/NixOS/nixpkgs/issues" BUILD_ID="24.11.715519.ebe2788eafd5" CPE_NAME="cpe:/o:nixos:nixos:24.11" DEFAULT_HOSTNAME=nixos DOCUMENTATION_URL="https://nixos.org/learn.html" HOME_URL="https://nixos.org/" ID=nixos ID_LIKE="" IMAGE_ID="" IMAGE_VERSION="" LOGO="nix-snowflake" NAME=NixOS PRETTY_NAME="NixOS 24.11 (Vicuna)" SUPPORT_END="2025-06-30" SUPPORT_URL="https://nixos.org/community.html" VARIANT="" VARIANT_ID="" VENDOR_NAME=NixOS VENDOR_URL="https://nixos.org/" VERSION="24.11 (Vicuna)" VERSION_CODENAME=vicuna VERSION_ID="24.11" [jpmtkvmsv47:~ ]#
ついでに、ファイルサーバとして利用しているSambaのバージョンを確認。
Sambaのバージョンは4.20.4である事が分かる。
[jpmtkvmsv47:~ ]# smbd -V Version 4.20.4 [jpmtkvmsv47:~ ]#
Sambaの他に利用している主なパッケージのバージョンは以下のとおり。
[jpmtkvmsv47:~ ]# zsh --version zsh 5.9 (x86_64-pc-linux-gnu) [jpmtkvmsv47:~ ]# [jpmtkvmsv47:~ ]# [jpmtkvmsv47:~ ]# nvim --version NVIM v0.10.2 Build type: Release LuaJIT 2.1.1713773202 Run "nvim -V1 -v" for more info [jpmtkvmsv47:~ ]# [jpmtkvmsv47:~ ]# [jpmtkvmsv47:~ ]# chronyd --version chronyd (chrony) version 4.6.1 (+CMDMON +NTP +REFCLOCK +RTC +PRIVDROP +SCFILTER +SIGND +ASYNCDNS +NTS +SECHASH +IPV6 -DEBUG) [jpmtkvmsv47:~ ]#
アップデート前のバージョン確認を終えたところで、NixOSのアップデートに進む。
sudo nix-channel --addコマンドを実行し、NixOSのチャンネルをアップデート先のバージョンに指定する。
今回はバージョン24.11から25.05にアップデートする為、チャンネルをnixos-25.05に指定する。
[jpmtkvmsv47:~ ]# sudo nix-channel --add https://channels.nixos.org/nixos-25.05 nixos [jpmtkvmsv47:~ ]# [jpmtkvmsv47:~ ]# sudo nix-channel --update nixos unpacking 1 channels... [jpmtkvmsv47:~ ]#
プロンプトが返ってきた。
エラーを吐いていない事を確認し、sudo nixos-rebuild switch --upgradeコマンドを実行し、新しいバージョンのNixOSおよびNixOSのシステムパッケージをビルドする。
この手順により、OSがバージョンに更新される。nixos-rebuild switch --upgradeコマンドは、他のLinuxディストリビューションで言うyum upgradeやapt upgradeのようなものである。
[jpmtkvmsv47:~ ]# sudo nixos-rebuild switch --upgrade unpacking 1 channels... this derivation will be built: /nix/store/n3xjg41g2ggm6pnvlxnlhz3gblfszllw-nixos-rebuild.drv these 148 paths will be fetched (60.95 MiB download, 286.92 MiB unpacked): /nix/store/3mi59bgj22xx29dyss7jhmx3sgznd85m-acl-2.3.2 /nix/store/8syylmkvnn7lg2nar9fddpp5izb4gh56-attr-2.5.2 /nix/store/mzvz45f54a0r0zjjygvlzn6pidfkkwj3-audit-4.0.3-lib : 省略 : the following new units were started: NetworkManager-dispatcher.service, sshd-unix-local.socket, sshd-vsock.socket, sys-kernel-tracing.mount, sysinit-reactivation.target, systemd-hostnamed.service, systemd-tmpfiles-resetup.service Done. The new configuration is /nix/store/i9j15fgbwk5cl5f1p84ni5h70f16w5qi-nixos-system-jpmtkvmsv47-25.05.802216.55d1f923c480 [jpmtkvmsv47:~ ]# [jpmtkvmsv47:~ ]# [jpmtkvmsv47:~ ]# sudo reboot Broadcast message from root@jpmtkvmsv47 on pts/1 (Sat 2025-05-24 09:25:55 JST): The system will reboot now!
プロンプトが返ってきた。
エラーを吐く事無くアップデートは完了。nixos-rebuild switch --upgradeコマンドを叩いた後、自分の環境では3分で完了した。早い。
アップデート後の動作確認
エラーを吐く事無く25.05にアップデートが出来た。
これよりアップデート後のNixOSのシステムの情報を出力させる。
まずはunameコマンドを叩き、NixOSで動作しているLinuxのカーネルのバージョンを確認。
リリースノートなどドキュメントの記載内容のとおり、Linuxのカーネルのバージョンが6.12.30にアップデートされている事が分かる。
[jpmtkvmsv47:~ ]# uname -a Linux jpmtkvmsv47 6.12.30 #1-NixOS SMP PREEMPT_DYNAMIC Thu May 22 12:29:54 UTC 2025 x86_64 GNU/Linux [jpmtkvmsv47:~ ]#
続いて、/etc/os-releaseの内容を出力しNixOSのバージョンなどを確認。
NixOS 25.05が稼働している事が分かる。
[jpmtkvmsv47:~ ]# cat /etc/os-release ANSI_COLOR="0;38;2;126;186;228" BUG_REPORT_URL="https://github.com/NixOS/nixpkgs/issues" BUILD_ID="25.05.802216.55d1f923c480" CPE_NAME="cpe:/o:nixos:nixos:25.05" DEFAULT_HOSTNAME=nixos DOCUMENTATION_URL="https://nixos.org/learn.html" HOME_URL="https://nixos.org/" ID=nixos ID_LIKE="" IMAGE_ID="" IMAGE_VERSION="" LOGO="nix-snowflake" NAME=NixOS PRETTY_NAME="NixOS 25.05 (Warbler)" SUPPORT_END="2025-12-31" SUPPORT_URL="https://nixos.org/community.html" VARIANT="" VARIANT_ID="" VENDOR_NAME=NixOS VENDOR_URL="https://nixos.org/" VERSION="25.05 (Warbler)" VERSION_CODENAME=warbler VERSION_ID="25.05" [jpmtkvmsv47:~ ]#
Sambaのバージョンも確認。
Sambaのバージョンは変更前と同じ4.20.4で、アップデートが行われなかった事が分かる。
[jpmtkvmsv47:~ ]# smbd -V Version 4.20.4 [jpmtkvmsv47:~ ]#
ついでに、Sambaの他にアップデートされたパッケージがあるか確認した。
Neovimが0.10.2から0.11.1にアップデートされている事が分かった。
他のパッケージzshとchronydはNixOSの前のバージョン24.11の時と同じであった。
[jpmtkvmsv47:~ ]# zsh --version zsh 5.9 (x86_64-pc-linux-gnu) [jpmtkvmsv47:~ ]# [jpmtkvmsv47:~ ]# [jpmtkvmsv47:~ ]# nvim --version NVIM v0.11.1 Build type: Release LuaJIT 2.1.1741730670 Run "nvim -V1 -v" for more info [jpmtkvmsv47:~ ]# [jpmtkvmsv47:~ ]# [jpmtkvmsv47:~ ]# chronyd --version chronyd (chrony) version 4.6.1 (+CMDMON +NTP +REFCLOCK +RTC +PRIVDROP +SCFILTER +SIGND +ASYNCDNS +NTS +SECHASH +IPV6 -DEBUG) [jpmtkvmsv47:~ ]#
systemctlコマンドをstatusオプションを付けて実行。Active: active (running) となっており、Sambaが問題無く立ち上がっている事を確認。
[jpmtkvmsv47:~ ]# sudo systemctl status samba-smbd.service
[sudo] password for hechtia:
● samba-smbd.service - Samba SMB Daemon
Loaded: loaded (/etc/systemd/system/samba-smbd.service; enabled; preset: ignored)
Active: active (running) since Sat 2025-05-24 09:57:55 JST; 2min 13s ago
Invocation: 514f109bdfaa41dcb82cfa414b301816
Docs: man:smbd(8)
man:samba(7)
man:smb.conf(5)
Main PID: 874 (smbd)
Status: "smbd: ready to serve connections..."
IP: 0B in, 0B out
IO: 2M read, 16K written
Tasks: 3 (limit: 4628)
Memory: 8.7M (peak: 8.9M)
CPU: 77ms
CGroup: /system.slice/system-samba.slice/samba-smbd.service
├─874 /nix/store/zzq3xaslb7sh44clfijym9vgin0x7bgi-samba-4.20.4/sbin/smbd --foreground --no-process-group
├─888 "smbd: notifyd" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "">
└─889 "smbd: cleanupd" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" ">
May 24 09:57:55 jpmtkvmsv47 systemd[1]: Starting Samba SMB Daemon...
May 24 09:57:55 jpmtkvmsv47 systemd[1]: Started Samba SMB Daemon.
[jpmtkvmsv47:~ ]#
最後に、NixOSで動いているファイルサーバの動作確認を実施。ホスト機側からNixOS内のSamba公開ディレクトリに接続を試みる。
以下の画像のとおり、公開ディレクトリにアクセス出来た事を確認。
尚、VirtualBoxの仮想マシン一覧にて表示されている仮想マシン名はアップデート後もそのままなので、気になる人は利用者側にて手動で修正する事が出来る。

もしアップデートに失敗したら
NixOSを再起動、またはNixOSを強制的に落としてから再度立ち上げ、「Reboot Into Firmware Interface」の選択画面にて前の世代のNixOSを選択。アップデートする直前のプロファイルを選択しNixOSを立ち上げる事でロールバックを実行する。
以下の例の場合、上から2番目のGeneration 4の行(場合によってはGeneration 3などもっと前の世代)を選択しEnterキーを叩くとアップデート直前のNixOSが立ち上がる。
NixOS (Generation 5 NixOS Warbler 25.05.802216.55d1f923c480 (Linux 6.12.30), built on 2025-05-24)
NixOS (Generation 4 NixOS Vicuna 24.11.715519.ebe2788eafd5 (Linux 6.6.82), built on 2025-04-10)
NixOS (Generation 3 NixOS Vicuna 24.11.715519.ebe2788eafd5 (Linux 6.6.82), built on 2025-04-10)
NixOS (Generation 2 NixOS Vicuna 24.11.715519.ebe2788eafd5 (Linux 6.6.82), built on 2025-04-10)
NixOS (Generation 1 NixOS Vicuna 24.11.715519.ebe2788eafd5 (Linux 6.6.82), built on 2025-04-10)
Reboot Into Firmware Interface
------------------------------------------------------------------------------------------------------
Boot in 5 s.
今回はここまで。
自端末内のVirtualBoxの中でファイルサーバとして稼働しているNixOSのバージョンを24.11から25.05にアップデートを試み、想定どおりNixOSのアップデートが出来た事、アップデート後もファイルサーバにアクセス出来た事、そして一部のパッケージもアップデートされる事が確認出来た。
Sambaはアップデート後のバージョンは変わらなかったが、NixOS Search - PackagesにてSambaパッケージのバージョンを確認したところ4.20.4だった。今のところ、NixOS 24.11の時と同じバージョンである。
振り返り
今年の3月中旬以降、NixOSで様々なサーバを構築してきた。当記事の公開の段階で稼働しているNixOSのサーバはSambaによるファイルサーバのみで、OpenBSDで稼働しているSambaなファイルサーバと同じ環境で稼働している。今のところトラブルは発生せず安定稼働している為にNixOSにログインして何かする機会は減少傾向にある。公私共に落ち着いてきたら、Flakeの再開やNixOSのデスクトップ環境に手を出してみようと思う。
参照サイト
https://nixos.org/ Nix & NixOS Declarative builds and deployments
https://nixos.org/manual/nixos/stable/ NixOS Manual
https://nixos.org/manual/nixos/stable/#sec-upgrading Upgrading NixOS
https://nixos.org/manual/nixos/stable/release-notes#sec-release-25.05 Release Notes
https://nixos.org/blog/announcements/2025/nixos-2505 NixOS 25.05 released
https://search.nixos.org/packages NixOS Search - Packages
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https://debslink.hatenadiary.jp/entry/20250524/1748072722 NixOSを24.11から25.05にアップデートした
https://debslink.hatenadiary.jp/entry/20251214/1765688458 NixOSを25.05から25.11にアップデートした
https://debslink.hatenadiary.jp/entry/20260117/1768615582 Raspberry Pi 4BにNixOSを導入しファイルサーバを構築した
https://debslink.hatenadiary.jp/entry/20260503/1777775392 NixOSで構築したサーバの運用について