メモのページ - チラシの裏メモ 3枚目

通信技術や気になった事を黙々とメモし続ける

Cisco ISR4000シリーズルータのシャーシ~Ether Module間通信

Cisco ISR4000シリーズルータに触れる機会が有り、LAN側インタフェースにEtherModule SM-X-ES3-16Pを導入。
L2環境での筐体内部の通信、ISR4000ルータの筐体~Ether Module間の通信の設定に手間取った。
L3の設定ならCiscoのサイトに載っているもののL2の設定に関しては少し触れている程度。
試行錯誤の結果、以下の設定でLAN方向への通信が可能になったので、備忘録として残す。



当方の環境
ルータ:Cisco ISR4321 / IOS-XE 16.8.0
モジュール:SM-X-ES3-16P / IOS 15.2(3)E ※Catalyst3560X相当
LAN側はL2。対向先のデバイスとの間はそれぞれL2のLAG(Ether Channel)を組む事とする。


筐体内部の概要(クリックすると拡大表示します)

筐体とモジュール間の通信に、筐体側はinterface Ethernet-Internal 1/0/1と1/0/2、モジュール側はinterface GigabitEthernet0/17と0/18がアサインされている。
筐体側、モジュール側共に筐体~モジュール間通信で使用するインタフェースを変える事は出来ない。



設定の流れ
1.筐体側(IOS-XE)にて各種設定。
LAN方向に伸ばしたいVLAN(必要が有ればSVIも)を作成。
Ethernet-Internal 1/0/1にswitchport mode trunkとno negotiation autoを投入。
Ethernet-Internal 1/0/0には設定追加しなかったが、LAN方向への通信は出来た。
WAN方向の設定は要件に従って設定。


2.モジュール側(IOS)に入る。
hw-session module 1/0コマンドを打つ。
hw-session module 1/0の1という値は、対象となるEther Moduleが筐体のSlot1に挿入されている事を示す。
打った後に出力されるログを見ると、筐体内部のシリアルポート経由をモジュールにアクセスしているように見える。

# hw-session module 1/0

picocom v2.2
port is			:/dev/ttyDASH0
flowcontrol		:none
baudrate is		:9600
parity is		:none
:
:


3.モジュール側にて各種設定。
show versionを打つとCatalyst3560Xが動作しているように見える。ISR4321の内部でCatalyst3560Xが動作しているという変な感じ。
勿論、show inventoryやshow env all、show proccess cpu historyやdirコマンドも実行可能。
モジュール内では、Catalystスイッチと同様にEther Channelのインタフェース、LAN向けインタフェースにスイッチポートやL2のEther Channelの設定。
筐体と接続するポートGi0/17とGi0/18には、switchport mode trunkとswitchport trunk encap dot1qを投入。
SVIやWAN方向へのルーティングの設定は不要。
設定後は勿論、write memoryで設定内容を保存する。


4.モジュール(IOS)から抜けて筐体(IOS-XE)に戻る。
Ctrl + AとCtrl + Qで筐体に戻る事が出来る。


設定箇所の概要(クリックすると拡大表示します)

筐体側、筐体~Ether Module間インタフェース、Ether Module側の3か所にて、通したいVLANの設定が入っていれば通信が可能。
Ether Module側はL3SW化させない。L3SW化させたい場合は下記リンク先を参照。



参照
https://www.cisco.com/c/ja_jp/products/collateral/routers/4000-series-integrated-services-routers-isr/datasheet-c78-732542.html Cisco ISR4000シリーズルータ データシート
https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/routers/access/interfaces/eesm/software/configuration/guide/4451_config.html Cisco SM-X Layer 2/3 EtherSwitchモジュール 設定例