メモのページ - チラシの裏メモ 3枚目

通信技術や気になった事を黙々とメモし続ける

データセンタの機械室の話

データセンタのネットワーク設計に携わっている自分が気になった記事を、自分に当て嵌めて「自分にとっての機械室」をメモしてみた。
https://www.orangeitems.com/entry/2018/04/04/102200
orangeitemsさんのブログ「orangeitems’s diary」より。


データセンタ内のネットワーク設計と構築を担当している為、机上での設計業務だけでなくデータセンタに行き設定や試験など構築作業も行う。
温度や湿度や照明が調節可能なオフィスとは対極的な環境とも言えるデータセンタの機械室の環境。
作業期間が長いと体調を崩すエンジニアが出てくるのだが、自分の場合は...


ファンの音が心地良い
通信機器やサーバは稼働中熱を発する。温度が上昇すると再起動を繰り返したり故障し電源が落ちたり...とシステムに多大な影響を与える事が有る。
機器にこもった熱を外に出す為に、機器に付けられているファンが常に回っている。
サーバや通信機器1台でさえファンは大きな音を出すのだが、数十台数百台もの機器が稼動している機械室内の騒音は半端無く、おそらく多くのエンジニア達は苦痛に感じているだろう。
しかし自分にとってキーーンとかゴーーーっと機械室内に響き渡る音は、頭の中に溜まった雑念を払ってくれる為に作業に集中出来る。


空気は良くない
田舎にある平屋建てのNTTの局舎などのように湿度が低くない所は有るのだが、大抵のデータセンタの機械室内は湿度は低めにほぼ一定に保たれ、空気が乾燥している。
また、上記にあるとおりサーバや通信機器を冷やす為に空調から常に冷風が吹かれている。
自分は乾燥には強いのだが寒いのは苦手。寒くなったら休憩室やホットアイル(機器のファンから排出された暑い空気のたまり場)に移動し、暑くなったらコールドアイル(空調機から排出された冷たい空気のたまり場)に移動している。
※業務と関係無いサーバラックへの移動はNG


外部の喧騒から切り離される
情報漏えい防止やスマホ・ガラケーが発する電波による機器への影響を与える可能性が有るという事で、勤務先の了承を得られない限り機械室にスマホやガラケーを持ち込めない。
よって、作業中は都心にあるデータセンタであろうと陸の孤島状態になるが、外部との連絡は必要最小限になる為に作業に集中する事が出来る。
外部との連絡手段は機械室内の内線電話、もしくは休憩室や廊下等持ち込みOKな場所で行われる。


静電気バチバチ
自分が通っていたデータセンタのうち2箇所は、床の汚れや傷の防止の為に縦1メートル横2メートル程のプラスチック製の板が用意されている。
御座のように床上にその板を敷きその上に座って作業をするのだが、何故か自分だけ静電気を身に纏ってしまうようで静電靴を履いていてもバチバチ音を立て指先が痛くなる。
立つ際に片手をラックの扉に触れて放電すると何とも無いが、忘れてそのまま立ち上がるとバチバチ。


残業や夜間作業
今の勤務先は残業極少、夜間作業無しという環境である為に、定時で退館出来る。
かつて通っていたデータセンタにはビジネスホテルのシングルルーム並みの宿泊設備が有り、事前に申請すれば無料で使用出来た。
しかし宿泊施設が有るデータセンタは少なく、宿が取れずデータセンタ内に2週間程居っぱなしで睡眠は休憩室の床の上なんて事も有ったが、そのような場所での睡眠は平気な為苦ではなかった。


精神状態
外部から遮断された中で騒音と乾いた空気に包まれての勤務環境は悪いように見えるのだが、これまで居た設計・構築案件はどれもスケジュールや退館時間が予め決められた中で構築作業を進め作業に集中している為、心が折れる事は無かった。
しかし、10年程前に障害対応でルータのI/Oモジュール交換の為に都内某所のNTT局舎内にて作業をした際は、作業統制側から現地対応完了の連絡が来ないまま6時間程放置状態なんて事が有った。その時はさすがに精神面で疲れた。


オカルト
今の業務で通っているデータセンタやNTTの局舎では見た事が無いのだが、10年程前に全国のNTT局舎を廻り構築作業に携わっていた時の話。
東北のとある温泉地にあるNTTの局舎にて、機械室内の柱の裏側にお札がベタベタ貼られているのを見た。
作業統制側からは出る事で有名と事前に聞かされていた為にビビリながらの作業だったが、一晩局舎内に居たものの何も見ずに作業を終えた。
他にも「出る」との噂がある複数の局舎に夜間作業で入ったが、埼玉県のとあるお寺の前にあるNTTの局舎にて、自分が居る部屋にて空き缶を蹴飛ばす音があった件以外は特に何も無し。


まとめ
周囲からはまるで変人扱い。
データセンタ内での作業が好きでどれだけ長く居ても苦にならない、なんて人は極めて少数派だろう。