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VyOSをNexus7で動かす

VyOSをAndroidタブレット端末 Nexus7(2012年版)で動作させてみた。
正確に言うと、VMware PlayerのAndroid版といった感じのツール Limbo PC EmulatorのゲストOSとして動作させてみた。
以下は、VyOSのダウンロードからデプロイ、初回ログインまでのメモ。


Limbo PC Emulatorとは
Limbo PC Emulatorとは、Android OSで動作するQEMUベースのx86エミュレータツール。


当方の環境
タブレット端末: Nexus7 2012年版
Android OSバージョン: 5.1.1
エミュレータ:Limbo PC Emulator 2.9.2
ソフトウェアキーボード:Hacker's Keyboard
ゲストOS:vyos-1.1.7-i586.iso


手順
1. VyOSをNexus7にダウンロード。
VyOSのダウンロードサイトに以下の2種類の.isoファイルが有る。
vyos-1.1.7-i586.iso
vyos-1.1.7-i586-virt.iso
どちらでも良いのだが、今回はvyos-1.1.7-i586.isoの方をダウンロードした。

2. Limbo PC EmulatorをNexus7にインストール。
Google Playから直接ダウンロード、もしくはSourceforgeからapkファイルをダウンロードしインストール、のどちらでも良い。

3. Limbo PC Emulatorを立ち上げる。
画面右上の「None」をタップし「New」を選択。
任意のマシン名を入力。

CPU/Board の欄の設定は以下のとおり。
Architecture: x86
Machine Type: pc
CPU Model: qemu32
CPU Cores: 1
RAM Memory (MB): 408

Storage欄の設定は以下のとおり。
Hard Disk A: にチェックを入れて、5GBを選択

Removable Storage欄の設定は以下のとおり。
CDROM:にチェックを入れ、VyOSのisoファイルを選択。

Graphics、Audio、Networkの各欄は設定を変えずそのまま。

Boot Setting欄の設定は以下のとおり。
Boot from Device: CD Romを選択。
Kernel:とInitrd:はそのまま

User Interface欄は設定変更せずそのまま。

Advanced欄の設定は以下のとおり。
High Priorityにチェックを入れ、他はチェックを入れずそのまま。

4. 上記の設定後、三角アイコンをタップし、VyOSを立ち上げる。
ログインプロンプトが出力されるまで、暫くの間待つ。
自分の環境では50分程時間を要した。

途中で画面が黒くなり、何も表示されない状態になる。
その際はソフトウェアキーボードを表示させてEnterキーを叩くと、起動ログが出力されるようになる。

5. ログイン後はinstall imageコマンドを打ち、上記4.で読み込まれたVyOSをNexus7のMain Storageにインストール。
I found the following drives on your systems: でsda 5368MBの出力。
install imageでVyOSがインストールされるのは、/dev/sdaディレクトリ内になる。
上記のStorageにて何もチェックを入れずにそのままVyOSを起動させると、ここは空白になりNexus7のストレージにインストールが出来ない。

sdaを選択後、
This will destroy all data on /dev/sda
Continue?と聞かれるが、これはAndroidの/dev/sdaの事ではないのでYesで良い。

>imageインストール時の設定に関しては、以下のサイトの「1.仮想マシンを起動する」以降を参照。
http://jsworld.jp/surasura/mgh?contentid=net001003p001

6. デプロイ(インストール)完了後はrebootではなくpoweroffコマンドで一旦VyOSを落とす。
VyOSの停止後はLimbo PC Emulatorの画面にて Removable Storage欄のCDROMからチェックを外し、Boot Settings欄のBoot from DeviceをCD RomからHard Diskに変更。
そして三角アイコンをタップすると、VyOSが上記5.にてインストールしたイメージで起動する。


デプロイ後の確認
ここまで非常に長かった...
5年以上も昔のタブレット端末ではなく、PCや今時のスマホで動かす方が良いと断言出来る。
HWモデルの出力を見て驚いた。i440FXは1990年代中頃のIntelのチップセットPentium Proの事ではないか。

vyos@vyos:~$ show version
Version:	VyOS 1.1.7
Description:	VyOS 1.1.7 (helium)
Copyright:	2016 VyOS maintainers and contributors
Built by:	maintainers@vyos.net
Built on:	Wed Feb 17 13:43:15 UTC 2016
Build ID:	1602171343-4459750
System type:	x86 32-bit Virtual
Boot via:	image
Hypervisor:	QEMU
HW model:	Standard PC (i440FX + PIIX, 1996)
HW S/N:		Not Specified
HW UUID:	Not Settable
Uptime:		06:08:18 up 0 min, 1 user, load average: 0.05, 0.01, 0.01

vyos@vyos:~$ show version



注意事項
1. 起動後の挙動について。
非常に遅い。commitコマンドで2〜3分程時間がかかる。
showコマンドの出力も1〜2分程時間がかかりコマンドの確認用としても厳しいと思われる。

2. Pauseからの復帰に失敗する。
VMware Playerで言うサスペンドの状態からの復帰に失敗し、Limbo PC Emulatorが落ちる事が有る。
その際はVyOSを落とし、再度立ち上げなげればならない。
⇒ 2020年3月7日追記 VAIO Phone A + Limbo PC Emulatorバージョン2.10.0環境では落ちない。

3.大変恐縮ですが...
当記事の内容を実行した事による故障や損害について、私は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。


https://play.google.com/store/apps/details?id=fr.energycube.android.app.com.limbo.emu.main.armv7&hl=ja (Limbo PC Emulator)
https://play.google.com/store/apps/details?id=org.pocketworkstation.pckeyboard&hl=ja (Hacker's Keyboard)
https://vyos.io/ (VyOS)
http://d.hatena.ne.jp/debslink/20171025/1508938621 (VyattaをNexus7で動かす)